【留学生の就活対策】面接対策方法

就職活動でみなさんが一番心配していることが面接だと思います。日本語が得意な人でも、面接は不安に感じることでしょう。どのような点に注意すればいいかを見てみましょう。

まずは面接基礎編【はじめての就活】面接とは?を読んでから、この発展編を読んでください。

面接は「試験」ではなく「試合」

まず面接というものの理解を深めましょう。ウェブテストやエントリーシートと違って面接には明確な答えが存在しません。どのように答えるのが高得点で、どう答えるのが駄目なのかは明確にはわかりません。もし仮に存在したとしても、面接官は事前にそれを開示することはないので、誰にも知りえません。

そのため、事前の準備がうまく結果につながらないことが多々あります。目の前にいる面接官やその場の雰囲気にあわせて自身の言動を変えていく臨機応変さが求められます。その意味で、面接は予め決められた正解を出していく「試験」ではなく、その場における最適解を瞬時に発揮する「試合」と言えるでしょう。

試合に勝つために大切なこと

面接という試合に勝つために大切なことが3つあります。

1.豊富な勝ちパターンを持つ

2.現場の情報を重視して、その場で戦術を変える

3.自分に負けない

それぞれ順番に説明をしていきます。

豊富な勝ちパターンを持つ

試合において100戦100勝の人はいません。高レベルの試合になればなおさらです。そのような中でも勝ち続けられる人というのは、自身の勝ちパターンを複数持っていて、相手にあわせて使い分けます。誰にも負けない特技を持っていたとしても、勝ちパターンがその一つしかないとしたら勝ち続けるのは困難です。それが封じられた瞬間に、その人は無力となるからです。あなたが面接に臨むときも同様で、なるべく多くのエピソードを持っておくことが面接で合格し続けるコツとなります。

例えば、自己PRのために1つ2つしかエピソードを用意しておかないのは結構危険です。どんなに優れたものを持っていたとしても、そのPRポイントがその会社にとって価値がないと判断された場合、魅力的な自己PRができないまま面接が終わってしまう恐れがあります。研究内容でうまくいかなかったら、インターンシップの経験について話してみるという具合に、複数の選択肢を用意しておきましょう。

現場の情報を重視して、その場で戦術を変える

試合である面接においては、よく練られた準備よりその場の機転の方が功を奏する場合がよくあります。
例えば、あなたは自己紹介の中でいつも趣味の旅行について話すとしましょう。最近は「さっぽろ雪まつり」に参加し、その美しさと壮大さに息を呑みました。普段はそのエピソードを簡単に紹介するだけなのですが、その日は面接官が「お、私の出身地は札幌なんですよ」とコメントしました。この場合、さっぽろ雪まつりのこと以外の思い出についても話し、面接官と他愛も無い話を続けるのが良いです。アイスブレイクがうまく進み、その後の質疑応答も和やかな雰囲気の中で有利に進められることでしょう。

自分に負けない

最後は心構えについてです。試合で高いパフォーマンスを発揮する人の姿勢は「他の人よりもうまくやろう」というよりも「自分のベストを尽くそう」というものだそうです。そうすると本番で無理することがなくなり、緊張もある程度和らぐそうです。また、最後の最後まで自分を信じ抜くことができ、良い結果を引き寄せるのだとか。面接中に「しまった!うまく答えられなかった・・・」と落ち込むこともあるでしょう。しかし、どうか自分に負けない強さをもって臨んでください。

日本の有名な漫画『ドラゴンボール』でも「武道は勝つために励むのではない。己に負けぬためじゃ。」というセリフがあります。主人公の悟空が勝ち続けられる一因には、この教えがあるのかもしれませんね。

武道は勝つために励むのではない

出典:ドラゴンボール第3巻/112p

学生のコミュニケーション・スタイルは捨てよう

面接についての理解を深めたところで、ここからは実践的なテクニックをご紹介します。

1つ目は『学生のコミュニケーション・スタイルを捨てる』ということです。皆さんは友達と話すときに、コミュニケーションの成果について考えたことはありますか?きっとないはずです。ここにビジネス・コミュニケーションとの違いがあります。

仕事におけるコミュニケーションは、基本的に何かしらの成果が期待されています。例えば、お客様との会話は新しい製品購入を促すためだったり、部長との会話は進行中のプロジェクトの進捗報告だったり、後輩との会話は業務説明だったりします。目的や成果のみえないコミュニケーションは、時間の無駄とさえ思われます。

では、面接におけるコミュニケーションの目的は何でしょうか?それは、あなたという人間を深く知り、他の応募者よりも優先して採用すべき人材なのかを見極めることです。この目的を達成するために、面接官は様々な質問を投げかけて、あなたという人間の分析・評価を行います。

だからこそ、面接における答え方は、まず結論を話してからその論拠を示すというわかりやすく、無駄のない形式が好まれるのです。だらだらと話しすぎるのが嫌われる理由もここにあります。また、一方的に話し続けるのも好ましくなく、面接官との会話のキャッチボールを心がけるべきです。「面接官は私の何が知りたいのだろう?なぜ、それが知りたいのだろう?」というアンテナを常に張って、なるべく多くのボールを面接官に渡しましょう。彼らの知りたいことに答え続けていけば、良い結果は自然とついてきます。

面接官のことを理解しよう

「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして、己を知れば、一たび勝ちて、一たび負く。彼を知らず、己を知らざれば戦うごとに必ず敗る。」

これは『孫子・謀攻編』に載っている言葉です。面接でたとえるなら「企業研究して、自己分析できていれば、どの面接も合格できる。企業研究をせず、自己分析だけなら一つは合格して、もう一つは不合格。企業研究も自己分析もできていないなら、全ての面接に落ちる。」といったところでしょうか。この内容でも十分なのですが、これは発展編なので企業研究からさらに一歩進めて、面接官研究をしたいと思います。

もし、あなたが面接官だとして、「優秀な新卒を採用してくれ」と会社に指示されたら、どのような観点で人選を行いますか?学部や研究内容、部活やサークル活動、アルバイトやインターンシップ経験、日本語力、特技など・・・聞きたいことがたくさん出てくると思います。それでは、そのような観点で10名までは絞ることができたとして、そこからさらに5人にまで減らさなければならないとき、どのような観点で減らしますか?10名とも学力も人柄も厳選された素晴らしい人たちで、落とすのはとても勿体ない!それでも5名は落とさなければなりません。この答えがわかっているかどうかが最終面接合格の鍵となります。

答えを知るためには、この状況における会社にとっての最悪の結末を考えましょう。それは、内定辞退と早期離職です。涙をのんでどうにか5名を落としたのに、内定を出した人たちのうち3名に辞退されてしまい、結局2名しか採れなかった・・・まさに悲劇です。それまで費やしてきた時間や費用が全て無駄になってしまいました。改めて募集をしても応募者がいるかわかりませんし、同じくらい優秀な人たちが集まることは考えにくいでしょう。つまり、その年の新卒採用は大失敗ということです。

無事、内定を受諾してもらえたとしても、まだ安心はできません。これから仕事のことを教えて、見込み通りの活躍をしてもらえるまでに2〜3年はかかります。それまでに辞められてしまったら、会社としてはやはり損失です。早期離職しないよう、会社は様々な対策を講じることでしょう。

ここまで話せば、いかに面接官が「なぜ、うちの会社に入りたいのか?」を気にするのかがわかると思います。どれだけ能力の高い応募者であっても、入社してくれなければ意味がないですし、入社後すぐに辞められては元も子もないわけです。このミスマッチを防ぐため、面接官はしつこいくらいに「なぜ、この会社なんだ?なぜ、他の会社じゃ駄目なんだ?」と問いかけてくるわけです。

従って、面接を受ける皆さんは、選考が進むほどに「なぜ、その会社に入りたいのか?」をはっきりと説明できなければなりません。一次面接では「会社説明会に参加し、御社の掲げるビジョンに共感したので、応募しました」くらいの答えで合格できたとしても、三次面接、四次面接ともなれば、その程度の回答では「内定辞退」と「早期離職」の不安を払拭できません。単に自身の優秀さや情熱を伝えるだけの面接ではなく、面接官の気持ちを理解して、彼らに納得・安心してもらえる面接ができるところまで高めましょう。

逆質問はチャンス うまく活用しよう

よく面接の最後に「質問はありますか」と聞かれることがありますが、ここで何を質問するかが合否の分かれ目となり得ます。例によって「なぜ、面接官は逆質問を受け付けるのか?」を考えてみましょう。

皆さんは「逆質問のとき、何を聞けばいいのかわからない・・・」と思ったことがありませんか?なぜ、そのように思うのでしょう?その企業のことは何もかも知っているから、それ以上質問することがないのでしょうか?そんなはずはないですね。相手に質問をするというのは、想像以上に高度な行為で、相手への関心が高くないといけませんし、相手に関する知識が豊富でないと良い質問は投げかけられません。つまり、いい逆質問ができる人というのは、自社に対する関心が高く、理解も深いことが見込めるのです。

会社のホームページに書いてあるような情報、例えば企業理念、強み、主な事業領域などが好ましくないのは、このような理由からです。調べればわかることを聞いてしまうと、基本的なことを調べていない=関心が低い人と思われてしまうのです。

また、残業時間や休暇、福利厚生、昇給などを真っ先に聞くのも良くありません。働くあなたにとって重要な情報なのはわかるのですが、それよりも先に質問すべきことはないの?と思われてしまいます。OB・OG訪問や就活・転職サイト等でも入手可能な情報でもありますので、情報収集が甘いと思われるおそれもあります。

それでは、チャンスにつながる逆質問はどうやって考えれば良いのでしょうか?なかなか定形化しにくいのですが、その会社があなたの志望企業郡の中でオンリーワンの存在だと裏付けるための質問をすれば、的外れになる恐れはグッと低くなります。具体的には「競合他社の強みが●●である中、御社は○○に注力しています。この背景にある理由は何ですか?」とか「御社の企業理念には○○という特徴が見られ、これは私の就職活動の軸とも一致すると考えています。この理念が実践に反映されている事例としてはどのようなものがありますか?」などです。高い関心があると企業に思われるような質問や自己アピールを兼ねた質問をするようにしてください。

集団面接の時は他の人の話も聞こう

最後に集団面接のテクニックをお話します。集団面接で気をつけてほしいのは、次の3点です。

他の受験者が話している時は、ちゃんと聞く

人の話を聞く態度も見られていることを忘れずに油断しないでください。

他の受験者の意見に引っ張られないようにする

たまに起こるのが、前の人がいいことを言ったので、自分も回答を真似てしまうということです。相手の話を聞くことも大切ですが、あなたの意見に自信を持って回答するようにいたしましょう。

一人で話しすぎないようにする

あなたが話しすぎると、他の人が話す時間が減ってしまいます。集団面接のときは、特に話し過ぎに注意しましょう。

社会人との会話に慣れておこう

あなたはなぜ面接が不安なのでしょうか?日本語能力が足りないから?面接のマナーがわからないから?少しでも不安があるのであれば、練習を重ねてから本番に臨むようにしてください。そのためにできることとして、模擬面接や社会人との会話練習があげられます。最初は慣れなくてハードルが高いでしょうが、何度も練習をしていくうちに自信をもって話せるようになります。

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