【留学生の就活対策】高度専門職と特定活動(本邦大学卒業者)

在留資格を知ろう!

留学生が学校を卒業して会社に入るとき、在留資格の種類を変更しなければならないことは、どこかで耳にしたことがあると思います。それでは、具体的に「留学」からどの種類の在留資格に変更するかは知っているでしょうか?

この質問を就職活動の授業で行うと、何人かの留学生は「技術・人文知識・国際業務」と答えてくれます。しかしながら、日本で高度な専門知識や経験、そして日本語力を身につけて、これから素晴らしい活躍が期待される留学生は、「技術・人文知識・国際業務」以外の便利な在留資格をもらえる可能性があります。

今回の記事では、「高度専門職」と「特定活動(本邦大学卒業者)」の2つについてご説明いたします。なお、「留学」から働くための在留資格への変更は、毎年10%〜20%の方が失敗しています。つまり、内定はもらえたけれども入社はできず、急いで別の内定先を見つけない限り、日本にいられなくなる状況が発生しています。Your Careerなどで一般的な情報を獲得した後は、自身のケースについて個別相談することをおすすめします。

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高度専門職とは?

高度専門職の在留資格は、日本に高度人材の受け入れを促進するためにできた制度です。他の在留資格にはないような様々なメリットがあります。つまり、高度専門職の在留資格を保有している人には、それだけ日本での活躍を期待されているということです。

高度外国人材のイメージ

高度外国人材どのような人を指すのでしょうか?日本政府によると、「国内の資本・労働とは補完関係にあり,代替することが出来ない良質な人材」であり,「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに,日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し,我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」とされています。つまり、日本企業の海外進出や技術向上に貢献できるような専門性の高い職種についている外国人であり、彼らの分野において優秀な能力を発揮してくれることが期待できる人ということです。

高度専門職をもらうには?

法務省のホームページに載っている高度人材ポイント計算表で学歴、年齢、年収、職歴、研究実績などをチェックしていきます。博士課程まで出ているとポイントが高く、年齢は若いほうがポイントが高いです。また、日本語能力試験N2以上を保有していると、ポイントが加算されます。このポイントの合計が70点以上であることが認められたとき、高度外国人人材として認定されます。また、高度専門職1号の在留資格の場合は、活動によって、(イ)高度学術研究活動、(ロ)高度専門・技術活動、(ハ)高度経営・管理活動に分かれていますので、申請者の活動に適したものを申請する必要があります。

高度専門職のメリット

複合的な在留活動の許容

他のビザの場合は、在留資格以外の活動を行う場合には、資格外活動許可を取る必要がありますが、高度専門職で許可されている職業の中であれば、別の在留資格にまたがる活動をすることが認められています。

最長の在留期間5年

高度専門職では最初から5年間の在留資格が許可されます。

永住許可要件が緩和

他の在留資格では、永住許可を申請するためには、10年以上日本にいることが必要です。しかし。高度専門職では3年以上で永住権の申請が可能です。

入管での審査が優先処理される

入管での審査が優先的に処理されます。他の在留資格よりも在留資格審査の期限が短く5日以内で処理されます。通常の審査が1ヶ月から3ヶ月のほどかかることを考えると、優先されている度合いが明らかです。

配偶者の就労が認められる

原則、家族として入国する配偶者は就労が認められていませんが、高度専門職の在留資格を持つ者の配偶者は条件を満たせば、就労が可能です。

本国から親の帯同が認められる

一定の条件を満たせば、本人または配偶者の親を日本に呼び寄せることも可能です。

家事使用人の帯同が認められる

一定の条件を満たせば、家事使用人にも在留資格が許可されます。

高度専門職1号ビザを所有し、日本で活動を行って3年以上経過した場合、高度専門職2号に移行することができます。移行の要件は、ポイントが70点以上であること、また、素行が善良であることです。高度専門職2号になると、在留期間が「無期限」となり、実質日本に永住できるようになります。

また、高度専門職1号とは違い、転職をしたとしても、在留資格の変更申請は不要です。しかし、届け出は必要のため、忘れずに行いましょう。

特定活動(本邦大学卒業者)

今までの在留資格ではサービス業や製造業などの仕事に就こうとしても就労目的での在留資格は認められていませんでした。しかし、新しくできた特定活動(本邦大学卒業者)であれば、日本の大学・大学院を卒業し、基準以上の日本語能力がある者に限り、今まで就職ができなかった、製造業の現場、飲食店、スーパー、コンビニなどのサービス業の現場にも就職できるようになります。この分野での就職を希望している学生の皆さんは、特定活動(本邦大学卒業者)について調べてくださいね。

特定活動(本邦大学卒業者)の取得要件

フルタイムの仕事であること

フルタイムの雇用で、正社員・契約社員などが対象となります。アルバイト・パートや派遣での雇用は対象外です。

日本の大学・大学院を卒業していること

大学を中退した場合、専門学校や短期大学を卒業した場合は対象外です。海外の大学のみを卒業している人も対象外です。

日本語能力があること

日本語能力試験(JLPT)でN1または、日本語能力テスト(BJT)480点以上であること。
または、日本や海外の大学・大学院で日本語を専攻して学位を取得していることが条件になります。

日本人と同等以上の報酬額であること

会社の雇用条件が日本人と同等額以上であることが必要です。これは昇給額も含めてです。

日本語での円滑な意思疎通を要する業務であること

就労する業務が清掃や皿洗いなどの単純作業だけでなく、例えば外国人客に対して「通訳」の要素があるなど、日本語でのコミュニケーションのうりょくが求められる業務内容である必要があります。

大学で学んだことを活かせる

これから就く仕事が大学・大学院で学んだ内容が含まれていることや学んだことが活かせる業務であると判断される必要があります。

具体的に働ける例

飲食業

店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行うもの
※厨房での皿洗いや清掃のみに従事することはできません

製造現場(工場のライン)

日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員にたいして、外国語で伝え、指導しつつ、自らもラインに入って業務を行うもの
※ラインで支持された作業のみに従事することは認められません。

小売店

仕入れ、商品企画や通訳を兼ねた接客販売業務を行うもの
※商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することは認められていません。

ホテル・旅館

外国人客への通訳(案内)を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行うもの
※客室の清掃にのみ従事することは認められていません。

介護施設

外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、日本語用いて介護業務に従事するもの

あなたにあった在留資格を申請してください

日本で就労する際は、「技術・人文・国際業務」の在留資格で働くと思いがちですが、あなたの能力や業務内容によって、高度専門職、特定活動(本邦大学卒業者)の在留資格になるかもしれません。在留資格を申請する際には、必ず専門家に相談してから申請をするようにいたしましょう。

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