ただ就職するだけなら自己分析は不要
もし、あなたが「どんな仕事でもいいから日本で働きたい」という考えで就職活動をしているのであれば、この記事は読まなくても大丈夫です。ご存知の通り日本は人手不足という課題を抱えており、各産業における外国人依存度も年々高まっているので、仕事を選ばないのであれば働く場所はたくさん見つかります。自己分析よりも求人情報の検索に時間を使いましょう。
一方で「自分はこの仕事を是非やりたい!」という人や、「日本で働きたいけれども、正直どんな仕事が自分にあっているかわからない」という人は、自己分析をやったほうがいいです。
まずは一回、自己分析をやろう
この記事では、少しレベルの高い自己分析についてお話をします。そのため、はじめて自己分析をやる人には難しすぎる可能性があります。まずは一回、ベン図方式や自分史作りで自己分析をやってから、この記事を読んでください。
自己分析の基礎編はこちら。
自己分析の目的を再確認
就職活動における自己分析とは「過去の経験から、今の自分を形成している価値観、強み・弱み、思考を理解すること。またそこから将来のなりたい像を明確にすること。」です。そして、自己分析をすると志望企業の選び方が見えてきたり、エントリーシートや自己PR等でわかりやすく、かつ印象強く自分のことを説明できたりすることが自己分析をするメリットです。
今日は発展編として「有名企業・人気企業から留学生が内定を獲得するための自己分析」のやり方を説明します。ポイントは、どれだけ深堀りできるかと過去、現在、未来へと関連付けられるかです。
5W1Hで情報を整理する
例題として自分史を用意しました。
おそらく、あなたが初めて書いた自分史もこんな感じかと思います。ここから主要なエピソードの深堀りをしていきます。
まず、自己分析で明らかになった主要なエピソードを一つ選びます。ここでは、日本留学後に取り組んだボランティア活動を例として取り上げます。最初の深堀り方法は「5W1H」を整理することです。
自分史の中に「ボランティア活動」は繰り返し出てきているので、主要エピソードであると言える。
「ボランティア活動」について、5W1Hを整理して書き出す。
5W1Hがはっきりすれば、初めて話す相手にもある程度情報はわかりやすく、正確に伝わります。ビジネスにおけるコミュニケーションでは、これが当然に期待される基準となるので、書き出さなくても頭の中で情報を整理できるようになりましょう。
固有名詞や数字で表現できているかを確認する
5W1Hのフレームワークで情報を整理して満足してはいけません。書いた通り、これはスタートラインです。次に固有名詞や数字を使って、誰が聞いてもすぐに理解できるようになっているか確認します。
ボランティア活動の詳細について、固有名詞(「Facebook」や「Twitter」)や数字(「動画3本」「記事10本」「閲覧数3000」)で表現されているかを確認する。
もし固有名詞や数字がなく、「毎月動画や記事を作成し、閲覧者を増やすよう工夫しました。具体的にはSNSで情報を拡散しました。」という伝え方でも情報は伝わりますが、有名企業・人気企業から内定を獲得するための競争には敗れてしまうでしょう。
主要エピソードは3〜5個ほど用意しておく
同じ要領で5W1Hと固有名詞・数字を使って整理した主要エピソードを3〜5個ほど用意します。例題の場合は、高校のときの「部活動」、留学前の学校での「アルバイト」、留学してすぐの「日本語学習」が当てはまるでしょう。
過去、現在、未来へと関連付けられるか?
自己分析で書き出した主要エピソードの深堀りが完了したら、次は過去、現在、未来へと関連付けます。あなたという人間が過去に何をしてきて、今何を考え、これからどういった会社で働こうとしているのかをわかりやすく伝えることが就活で勝ち抜くポイントです。このとき、過去、現在、未来の関連性がないと、あなたの説明は説得力を欠いてしまうのです。
2つの例を比較して見てみましょう。どちらも同じエピソードを使っていますが、関連付けの方法を変えています。左は過去・現在の経験と未来に就きたい仕事とが関連付いていますが、右は関連付いていません。せっかく自己分析を深堀りして、良いエピソードを作り上げても、それらが仕事選びの軸と関連付いていないと説得力に欠けてしまうのです。
なお、右側の仕事の希望はよく留学生の面談で聞かれる実際の声です。同じような伝え方をしないよう注意しましょう。
就職・転職の基本である「自己分析」で差をつけろ!
自己分析は、就職や転職活動を直接的に成功させるものではなく、その分、ウェブテスト対策や求人検索などと比べて効果が実感しづらい側面があります。しかし、あらゆる選考過程と密接に関わっている基本中の基本なのです。自己分析をしっかりやっておけば、その後に控えているES対策も面接準備も取り組みやすくなる上、格段に質が良くなります。日本においてより良いキャリアを目指すのであれば、是非取り組んでください。
本気で就活をするなら、経験豊富な留学生専任キャリアアドバイザーにご相談ください。長年蓄積したノウハウを惜しみなく教えます。