【はじめての就活】エントリーシート(ES)とは?

エントリーシートとは何か?

エントリーシートとは、企業の求人に応募するとき提出する書類の一つです。和製英語のEntry Sheetの略で、ES(イーエス)と呼ばれることがよくあります。ESを提出しないと、その先の筆記試験や面接に進めない企業もたくさんあり、毎年多くの留学生が苦労しています。ただ、ESは書き方がある程度決まっており、それが理解できてしまえば留学生も通過できる選考過程なので、どうぞ心配しないでください。

エントリーシートの目的

ESは書き方がある程度決まっているという話をしました。それは、ESの目的が「今後、会うべき人物かどうかを判断するもの」であり、あなたの独創性やユニークさを求めるものではないからです。履歴書やウェブテストと同様に、やり方や採点方法が予め決まっていて、その基準にあわせて一定程度以上良くできていれば合格なのです。従って、ESの採点基準を抑えておくことが重要です。

では、どのようなESが高得点を取ることができ、どのようなESは点数が低くなるのでしょうか?答えは、① 設問に回答しているか?② 正しく文章を構成できているか?です。この2点さえクリアすれば、だいたいのESは通過できます。

①あなたのESは、設問に回答しているか?

ESの書き方 見本
ここからは実例を見ながらESの書き方を学んでいきましょう。上のESは、実際に留学生が三菱自動車向けに書き、通過したものです。このようなESが書けるよう目指しましょう。
ESの書き方 設問に答えること

ESで必ず満たさなければならない条件は「設問に答える」ことです。この例では「志望動機を書いてください」が設問です。これに答えなければならないので「私の強みは〜です」や「私は〜を頑張りました」という答えは不適切です。見本のように「〜ので志望します」と書くべきでしょう。

また、設問には「400文字以内」という指定があります。従って、答えは400文字以内にしなければなりません。見本では400文字ちょうどですね。なお、文字数が少なすぎるのも避けたほうがいいです。目安は制限文字数の90%であり、見本の場合は360文字以上400文字以下が適切な文字数と言えます。

②あなたのESは、正しく文章を構成できているか?

ESの書き方 正しい文章構成で書く
2つ目の必須条件は「正しく文章を構成する」ことです。基本的なフレームワークは、以下のとおりです。
1. この文章で一番伝えたいメッセージ
2. メッセージを支える理由
3. 読み手の理解を深める具体例や根拠

フレームワークについて、もう少し細かく説明していきます。

1. この文章で一番伝えたいメッセージ

設問に答えることが必須条件の一つであると前の項目でお話ししました。次のステップは、明確で印象強いメッセージをつくることです。見本の場合は「中国及び世界中の自動車排気ガスによる大気汚染を解決するために、貴社のエコカーを普及させたい」という赤線の部分が当てはまります。世界的な自動車メーカーである三菱自動車への入社意欲が伝わる明確で強烈なメッセージですよね。

2. メッセージを支える理由

続いて、どうして赤線(メッセージ)のように考えているのかという理由を述べます。理由なきメッセージは、単に言っているだけ、無責任な宣言のように聞こえてしまいます。見本の青線の部分のように「なぜなら、〜からです」などと書くと、きれいで読みやすいです。

3. 読み手の理解を深める具体例や根拠

次に読み手に想像させ「なるほど〜」と思わせる具体例や根拠で文章を強化します。よくあるESの間違いとして、いいことは書いてあるのですが、具体例や根拠がないためにイメージしづらいものがあります。「具体的に何をするの?」「具体的にどうやるの?」と思われてしまうESは通過しづらい傾向にあります。

見本の場合は緑線の部分が当てはまります。非常によく書けているESで、この短い文章の中に具体的に何をやるのか?どうやるのか?が複数書いてあります。例えば、

●「低品質で排ガス基準超過の中国車が多い中国市場に、貴社の高品質で、環境に優しいエコカーを販売促進したい」

●「エコカーを普及させるためには、貴社の品質の高さを中国で広げることが重要」

●「反日感情によって、日本車に関わる誤った情報が広がっているので、評判が不当に下がっているから、日本の現場での素材調達と加工に関わる技術の繊細さを中国及び世界各国の人々に伝えていきたい」

●「中国の次には、世界各国の販売促進活動に邁進したいと考えております」

などが挙げられます。入社した後、どんなふうに活躍してくれそうかがイメージできますよね。こういう人は是非一度直接会って、人柄や志望度、キャリア志向などを詳しく聞いてみたいと思えます。

ここまでで最低限のラインは達成。競争に勝ちたいなら内容の改善を。

どのようなESであれ、① 設問に回答しているか?② 正しく文章を構成できているか?の2点を満たしていれば、最低限のレベルはクリアできます。思ったよりもESは簡単だと感じてもらえたかと思います。

ただし、あなたが有名企業や人気企業を受けるつもりなら、これだけでは不十分です。設問ごとに内容を改善していって、他の応募者にも負けない優れたESを作り上げる必要があります。内容を改善するとき、よくある間違いとして「日本語の間違いを直し、表現を変える」というのがあります。意味が変わってしまうほどの日本語の間違いや明らかに不自然な表現は修正したほうがいいですが、それよりも書いてある内容の方が圧倒的に重要です。日本語の修正に囚われすぎないよう注意しましょう。

エントリーシートを書き終えたら、社会人に読んでもらおう

ESの質を改善するなら、社会人に読んでもらってフィードバックをもらうのが一番です。学校に通っている日本人の友だちの場合、日本語は直せても、社会人目線のフィードバックをすることは難しいでしょう。また、就活塾等にお金を出してまでES添削してもらわなくても、何人かの社会人に見せて修正を加えれば、十分合格ラインに乗ることができると思います。

意外な落とし穴に注意!

最後に、ESを提出する前には必ずコピーを取るようにしてください。面接ではESの内容をもとに質問されることも少なくないので、いざ面接まで進んだときにESに書いた内容がわからないと困ったことになります。面接の回答がESに書かれている内容とあまりに違うと、面接官からは一貫性がないと思われ、評価が下がる可能性もあります。従って、ESは必ずコピーを取っておいて、面接前に読み返すようにしましょう。

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