OGOB訪問とは何か?
日本の就活にはOBOG訪問というものがあります。そもそもOG・OBという言葉は、和製英語(Japanglish)であるOld Boys Old Girlsの略で、自分の大学や高校の卒業生を意味します。英語の意味で考えるとOBOG訪問はAlumni’s visitのことで、自分の行きたい企業で働いている自分と同じ学校の卒業生と会って、仕事内容や職場の雰囲気などについて話を聞くことです。
どんな企業にも良い面と悪い面の両方があります。そして、会社説明会や採用ページには、その会社が求職者に見せたいところだけを見せているのが普通なので、あまり悪い面が見えてくることはありません。しかし、良い情報だけを信じて仕事を始めてしまうと、理想と現実とのギャップに悩むこととなり、早期離職という自分にとっても会社にとっても嬉しくない結果へとつながってしまいます。OBOG訪問は、良い面も悪い面も率直に話を聞くことができるので、入社後のギャップに戸惑うことが少なくなります。
OBOG訪問のやり方
OBOG訪問のやり方に正解はありません。貴重な時間を割いてお話をしてくれることへの感謝と相手への敬意や配慮を忘れなければOKです。変に怖がったり、難しく考えたりするのはやめましょう。たとえ失敗してしまって怒られたとしても、誠意を持って謝れば大丈夫です。むしろ、学生のうちにたくさん失敗をして、会社に入る前に社会の礼儀や作法を知っておくと先々役立つでしょう。
以下では、よくあるOBOG訪問のやり方についてご説明します。はじめてOBOG訪問する場合など、参考にしてみてください。
① 訪問すべきOBOGを見つける
何よりもまず、訪問すべきOBOGを探すことから始めます。多くの場合、自分が興味を持っている会社で働いている人を見つけて、その人に話を聞きにいきます。例えば、SONYに興味を持っているなら、SONYで働いている人やSONYで働いていた人を探しましょう。学校のキャリアセンターにいけば、OBOG訪問を受け付けている卒業生の連絡先を教えてくれるでしょう。
興味ある企業がない場合は、訪問のしやすさからOBOGを探すと良いでしょう。例えば、卒業したばかりの人や同じ部活・サークルに所属していた先輩、同じ国出身の人で現在働いている方などは、比較的気楽に会いに行けるかと思います。OBOG訪問に慣れていない人は、この方法から始めるといいかもしれません。
② アポイントメントを取る
訪問すべきOBOGの人が決まったら、訪問日時を決めるためアポイントメント(Appointment)を取ります。訪問予定日の2週間から1か月前に連絡を取るのが良いでしょう。1週間前では予定が急すぎますし、1か月以上先だと仕事の予定も決まっておらず、一度決めた予定が変更となる可能性があります。
アポイントメントは通常メールで取ります。メールは相手の都合で読んでもらえますし、訪問の候補日時もカレンダーを見ながら確認することができます。電話で取ることも可能ですが、あまりおすすめしません。業務外の連絡が急に電話で来て、対応を迫られることを快く思わないOBOGは少なくありません。電話番号しか連絡先がわからないなど、やむを得ない事情がない限りメールを優先しましょう。
アポイントメントを取る際は、OBOG訪問が可能な日時を3つほど送りましょう。また、メールの宛名には要注意です。会社名、部課名、役職、氏名(フルネーム)を書きましょう。たとえ「様」を付けたとしても名字だけはNGです。同様に、文末の署名欄には自分の学校名、学部学科、氏名(フルネーム)を書きましょう。
また、もし電話でアポイントメントを取る場合には、電話をする時間にも気を付けてください。朝9時から夜の8時までに連絡をするのが無難です。それ以外の時間は、あまり好ましく思われない可能性があります。
メールのテンプレートは「JOBRASS新卒OB・OG訪問時のメールの書き方とコピペで使えるテンプレート【アポイント編】」
③ 訪問に向けて準備をする
OBOG訪問自体は1時間程度しかありません。その限られた時間を有効に過ごすため、訪問日の前までに質問内容を整理しておきましょう。最初に聞きたい質問を思いつく限りリストアップし、そのあと優先順位をつけましょう。時間が足りなくなった場合でも、本当に聞きたい質問から聞けるようにします。最後にウェブサイトや本などで調べてみて、OBOG訪問をせずとも答えが見つかるか確認します。もし答えが見つかった場合は、その質問を消し込みます。こうして残った質問がOBOG訪問で聞くべきものと言えます。
④ OBOG訪問当日
OBOG訪問当日の服装はスーツが望ましいです。もしスーツを持っていない場合には、セミフォーマルの服装にしましょう。
そして、約束の10分前には集合場所にいるようにしましょう。約束の時間に遅れるということは相手の時間の価値を低く見ており、敬意を欠いていると受け取られかねません。OBOG訪問は友達と遊び目的で会うのとは意味合いが異なることをしっかり自覚しておいてください。万が一、電車やバスが遅れたり、急に体調が悪くなったりして、遅刻または欠席をする場合は、分かった時点で謝罪と理由の説明を添えて連絡をしましょう。
OBやOGの方が来たら、話を始める前に「今日は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。」と一言入れると丁寧で印象が良いです。そして、話を終えるときには「本日はありがとうございました。」と感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
話を聞いているときには、メモをとることはもちろんのこと、聞いたことを忘れないようにボイスレコーダーで録音をとっておくと便利です。その場合は、必ず会話のはじめに「録音させていただいてもよろしいですか?」と一言断っておきましょう。
⑤ OBOG訪問が終わったら
OBOG訪問が終わったら、その日のうちにお礼のメールを送ります。やむを得ない理由で翌日送る場合は、必ず午前中のうちに送りましょう。感謝の気持ちを伝えるところまでがOBOG訪問であると頭に入れておいてください。
お礼のメールに関する内容の参考記事は「【例文あり】OB訪問で喜ばれるお礼メールの書き方)」
OBOG訪問する人はビジネスでも活躍する
OBOG訪問では礼儀作法が求められ、正直なところ学生からしたら面倒くさい感じる部分も多々あるかと思います。しかしながら、会社に入ったらその組織の一員として当たり前のようにできなければならない事柄でもあります。そして、OBOG訪問の一連の流れには、ビジネスマンとして活躍するためのヒントがたくさんあります。失敗をして怒られてしまわないか不安に感じることもあるかと思いますが、社会人として大成したいなら、OBOG訪問は是非やっておきましょう。