【はじめての就活】筆記試験とは?

筆記試験とは何か?

筆記試験は、日本語力や英語力といった言語能力、数学等の非言語能力、基礎教養力や論理的思考力、適性や適職などを測るための試験です。留学生の場合、どうしても面接練習やエントリーシートの方に意識がいきがちで、筆記試験の対策まで手が回らないことがよく見られます。

いざ筆記試験の本番となった際に苦戦している人も多いため、筆記試験の対策は早めにはじめておきましょう。夏のインターンシップに参加したいのであれば、春休みや5月のゴールデンウィークを利用してしっかり準備しておくのが理想的です。

なお、筆記試験には様々な種類があり、会社によってはその企業独自の筆記試験を用意しているところもあります。全試験の対策をするのは現実には無理なので、SPI3玉手箱などよく使われている試験から対策を始めましょう。

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筆記試験の種類

日本語試験にJLPTやBJT、NAT、J.TESTなどの種類があるように、筆記試験にもいくつか種類があります。「SPI3」や「玉手箱」「TG-WEB」などといったもので、よく使われているのは「SPI3」です。いくつかの形式がありますが、35分間の「能力適性検査」と30分間の「性格適性検査」が代表的です。「能力適性検査」は「言語」と「非言語」に分かれており、「性格適性検査」は「職務適応性」と「組織適応性」を診断するためのものとなっています。

能力適性検査のうち「言語」は主に言語能力や意思伝達能力、文書作成能力を図るためのもので、「非言語」は計算能力や論理的思考能力、実務処理能力を図るためのものとなっています。

性格適性検査は、約200の質問に「はい」「いいえ」で回答していく形式となっています。このSPI3の性格適性検査のポイントは、「ライスケール(嘘をついている度合い)」もしっかりと判定されてしまうという点です。これは、企業が求める人材像を意識して本来の自分の性格や行動パターンとは異なる選択肢を選んでしまったとしても、その度合いがはっきりと分かってしまうという点となります。そのため、性格適性検査では自分に正直に回答することをおすすめします。

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効果的な対策方法

筆記試験は、日本語ネイティブである日本人学生でさえ間違えるような問題で構成されています。※試しにあなたの持っている筆記試験のテキストを日本人に渡して解かせてみましょう。多くの人は50%も得点できません。

したがって、JLPT N1を持っている留学生でも、筆記試験で出題される日本語を理解することは簡単ではありません。しかし、現実には毎年多くの留学生が筆記試験に合格し、面接に進んで内定を獲得しています。この事実から明らかなことは、正しい対策さえすれば留学生でも合格できるということです。

正しい対策としては、下記のポイントが挙げられます。

第一志望群の企業がどの試験を採用しているか最初に調べ、最も多く使われている試験から対策をする
完璧を目指さず、まず理解できる問題から確実に得点できるよう準備すること
解説を読んでも理解できない問題は、簡単で素早く解ける方法を友人や就活アドバイザーに聞くこと
友人などに聞いても理解できない問題は、自分が解けない問題として捨てること
時間を測りながら回答する癖をつけること
まずは言語で80%、非言語で70%を目指すこと

上記のポイントを守って3ヶ月くらい対策をすれば、N2レベルでも合格できるでしょう。

筆記試験対策には時間をかけよう

就職活動で成功するには「時間」という資源を可能な限り確保し、効率的に使用することが重要です。そして、筆記試験対策には是非時間を割くべきです。特にテストセンターや会場で受験する場合には、必ず一人で問題を解くことになるため、対策をしていないと全く受かりません。そうなると、エントリーシートの添削も、グループディスカッションの準備も、面接対策も、全て意味がなくなってしまいます。

就職活動には複数のステップが存在し、目の前の課題をクリアしないと次に進めないということを十分理解しましょう。そして、筆記試験は採用選考の初期に課されます。ここで立て続けに落ちてしまうと就活のモチベーションも下がってしまうので、必ず準備をしてください。何から始めたらいいかわからない人は、模試に挑戦した後で、効果的な対策方法の項目を読んでください。

他の種類の筆記試験

国語、社会、英語、数学、理科、時事問題、ビジネスマナーなど幅広く出題される場合もあります。これは日本の教育課程で学習するべき範囲として指定されたものが出てくるので、自分の国でならった範囲、分野とは違う可能性が高いです。

出題例

国語(日本語)

文章読解、小説から抜粋した文章の作者の意図を述べる、漢字・ことわざに関する問題、古典からの出題、四字熟語の意味、800字の小論文など

数学

分数の計算、因数分解、距離や濃度についての計算、四則計算(業界によってはニュートン算、旅人算、仕事算、三角関数などを聞かれる可能性もあり)など

社会

小論文、日本の都道府県庁の所在地、世界の国と首都、日本の歴史の基礎など

理科

人体構造、元素記号、化学の基本的な問題(業界によっては振り子の周期、抵抗についてなどの物理に関する問題もあり)など

ビジネスマナー

謙譲語と丁寧語の使い方、名刺の受け渡し、電話応対、案内状や手紙の書き方、SNSで注意することについて、上司や顧客の座る位置、エレベーターの乗り方など

役立つ参考サイト
jopus 筆記試験 スタディPro SPI(SPI3)とは?

適性検査のことをもっと知りたいなら

この教科書の内容だけでもウェブテストの対策は可能ですが、さらに詳しく知りたい人は【留学生の就活対策】ウェブテスト対策を読んでください。なぜ企業は適性検査を実施するのか?それぞれの適性検査でどのような問題が出題されるのか?などについて詳しく書いています。