外国人労働者のLiberal Arts-社会保険

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公開日時 : 2022年02月21日

更新日時 : 2022年03月08日

社会保険とは

みなさんは「社会保険」という言葉を聞いたことがありますか。突然怪我をしたときや、病気にかかったとき、定年を迎えて働けなくなったときなど、そういった事態でも安心して生活できるように日本では社会保険への加入を義務づけており、決まった金額を毎月支払わなければいけません。これが「社会保険料」です。
 

社会保険は以下の5つを指します。

健康保険 ※1
厚生年金保険 ※2
介護保険 ※3
雇用保険
労災保険

※1:健康保険に加入していない人は、かわりに国民健康保険に加入しなければなりません。
※2:厚生年金保険に加入していない人は、かわりに国民年金に加入しなければなりません。
※3:介護保険は40歳以上の人が負担をします。

社会保険料を払う人

社会保険料は社会保険に加入している人が払いますが、適用除外となった場合のみ、社会保険に加入することができません。適用除外となるの条件はそれぞれ異なります。以下のチェックボックスで一つでも当てはまるかどうか確認してください。

健康保険・厚生年金保険

学生
1週間で働いた時間が20時間未満の人
1ヵ月の給料が8.8万円未満の人
1週間で働いた時間が一般社員の4分の3未満であり、1ヵ月で働いた日数が一般社員の4分の3未満の人
(例:一般社員が週40時間、月160時間働いていた場合、週30時間、月120時間以上働いてる人が該当)

介護保険

日本の滞在期間が3ヵ月以下
40歳未満の人

雇用保険

学生
一カ月未満でその仕事をやめることが決まっている人
一週間に働く時間が20時間未満の人

労災保険

労災保険は雇われた場合、学生も含めて全ての人が必ず加入していなければいけません。ですが、労災保険の支払いは全額会社側の負担となるため、働く人が支払うことはありません。

いくら払うのか

社会保険料をいくら払うのかは、毎月の給与によって異なります。中でも健康保険と厚生年金保険、介護保険に関しては、毎月支払われる給与に加えて、会社から支給される交通費なども含めた「標準報酬月額」で支払う金額が決まります。何が含まれるかは日本年金機構の出しているガイドライン(3ページ目)を確認してみてください。

ちなみに健康保険は標準報酬月額と住んでいる都道府県で支払う金額が決まるので注意してください。

雇用保険だけは、給与に交通費を加えた金額のうちの0.3%で決まっています。

このように社会保険料の計算は、それぞれの保険で異なるため複雑です。そのため簡単に計算できるサイトやアプリなどを利用して、確認するようにしましょう。

自分で計算をしたいときは月収と年収の手取り計算をご利用下さい。

絶対に払わなければいけないわけではない

国民年金は日本に住んでいる場合必ず支払わなければなりませんが、留学生の場合は「学生納付特例制度」を使えば、学生の間は年金を払わなくて済みます。

学生納付特例制度で詳細を確認してください。

ですが、この間に払わなかった分は保険料を納めていなかったことになるため、卒業後にその分をまとめて納めることができます。

払ったお金は返ってくる

もしも、卒業や転職などをきっかけに帰国することになり、国民年金保険を脱退することになった場合、今まで支払った分を一部返してもらえます。これが「脱退一時金」です。

脱退一時金をもらえる条件

日本に住所を持たない
国民年金に加入して10年未満である※
障害基礎年金などの年金を受ける権利を有したことがない
国民年金保険を支払った期間が6ヵ月以上ある
公的年金制度の被保険者資格を喪失した日から2年以上経過していない

国民年金に加入して10年以上経つと、脱退一時金はもらえなくなりますが、年金の受取資格が得られます。

年金は外国籍の方でも65歳以上になったときに申請すればもらうことができます。もらうには日本で最後に住んでいた地域の年金事務所または年金相談センターに指定の書類を郵送で提出する必要があります。

送金先は海外の銀行口座でも可能で、手数料も国が負担してくれます。しかし、送金する通貨は現地通貨、もしくはアメリカ・ドルで行うため為替相場の影響を受けます。

また、年金にかかる税金は、居住国が日本と租税条約を締結していれば日本へ税金を払う必要はありませんが、そうでなければ居住国と日本の両方に払う必要が出てきます。

提出書類など詳しいことを知りたいときは海外の口座へ年金の振り込みを希望される方の手続きをご覧ください。

年金について、みなさんは毎月とても大きな金額を支払っています。是非一度、給与明細を確認してみて下さい。そして、これまでに支払ってきた年金の金額を計算してみて下さい。常日頃から自分で意識していないと、どれほど損をしてしまうか理解できると思います。

詳細は脱退一時金の記事をご覧ください。

まとめ

社会保険は入ることで色々な恩恵を受けられますが、その分のお金は払わなければいけません。必ず自分が加入条件を満たしているか、そして加入していればいくら払っているのかを確認してください。

もし、その他生活のことなどでもわからないことがあれば、無料でご相談にのります。

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